心理臨床学会について考えたこと
心理臨床学会のオンライン大会に参加しています。
といっても時間に融通が利きづらいので録画視聴できるものやポスターばかり見ていますが。
せっかく会期中ですので会員企画シンポジウム4を見た感想というか、連想したことを書いてみたいと思います。クローズドな学会なので内容については触れず、自分の考えたことだけを書くことにします。
私は心理臨床学会は雑多なのが良くて、この学会一つに入ればいろいろな分野の勉強ができるのがある意味コスパがいいなと思っているのです。
色々な考え方の人がいるのも多様性という意味では非常に良いのではないかと。
ですからそのいいところを生かして他学派の人、他分野の人と連携する、連携はできなくてもお互いに分かり合おうとするということに取り組みやすいのではないかと思います。
学派を超えた心理臨床の共通要素について議論したり、学派の色を薄くして心理学を用いた臨床(心理学的援助、心理学的実践)について体系立てていくのがあるべき姿なのでは、とシンポジウムを聞いて思いましたし、そうなればいいなと願っています。
私が行った大学院はいろいろな分野の先生がいたので、どの考え方にも染まらずに、クライエントの役に立てばなんでもいいというスタンスが培われました。だから心理士としてのアイデンティティが拡散しているわけですけども、どうしても単一の学派を信奉(というように見えます)している人の気持ちがわからないところがある。
そのかたくなさ、他の考え方を認めない排他性は、臨床家としてそれでいいの?と思ってしまいます。
公認心理師のカリキュラムや試験についてはいろいろ言われていますが、学派の色がなくなり、社会の要請に応えろ!と蹴り飛ばされたのはある意味良いことなのかもしれないなどと思いました。
もちろん、待遇や立場については言いたいことはたくさんありますけれども…。
シンポジウムを見なければこんなことは絶対考えなかったので、視聴できてよかったです。心理臨床学とは何かについて自分でも考え続けていきたいと思いました。